水色とハルジオン

それは過去の愛の破片

【劇場公演】AKB48研究生「アイドル修業中♡」末永祐月生誕祭@AKB48劇場 20181111

はじめに

「いつか劇場公演に行ってみたい!」

AKB48を好きになった人なら誰もが一度は抱いたことのある気持ち。タイミングと熱量次第でその“いつか”が訪れる人と訪れない人に分かれるし、自分は後者だとばかり思っていたけれど、そんな私にも“いつか”がやって来ました。

 



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前日は埼玉でライブ参戦。関西住みなのでさすがに日帰りはできず。

じゃあ次の日はどうしようか?と考えた時真っ先に思い浮かんだのが「AKB48劇場で公演を観たい」でした。

そんで応募スケジュールとかどうなってたっけ?と一週間前くらいにチケセン開いたらもう遠方枠の応募終わっててビックリした。

公演日の11日前に遠方枠の応募締め切ってモバイル枠なんかは3日前応募になるんですね。

ただ私の場合持っていた映像倉庫枠が外れ一か八かの女性枠に賭けたので当落が前日の昼過ぎにわかりました。ギリギリ。

 

地方住みでAKBの劇場公演によく行くヲタクはどんなスケジュール立てて行動してるんでしょうか。

遠方枠外れたら大人しく諦めるか、元からお休み取っておいて一般枠まで粘りに粘るのか、最終的に外れてもキャン待ちでロビ観行くもしくはDMMの生配信見て一日を過ごすと決めているのかどうなんでしょうね。

私自身今回は前日から関東入りしてたこともあって、もし公演外れても帰りの夜行バスまで東京観光するかーって代替案を考えていたからよかったけど時間があまりない社会人は推し事にどう向き合ってるのか気になって気になって夜10時間しか眠れない。

 

目次

 

 

 

当日
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劇場の中をじっくり観察したくてチケット販売開始時間後すぐ秋葉原ドンキ8階へ。エスカレーターを上っていくと年季の入った壁がチラホラ見受けられる。

 




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客席へ続く扉。

この光景、知ってる。

初めてなのに初めてじゃない感覚。雑誌やメイキング映像でメンバーの背景に度々映ってた扉。

やっとここに来ることができた気持ちが溢れてしばらく呆然と立ち尽くしていました。

テレビや雑誌の中にいたAKB、みんなこの場所からスタートして旅立っていくんだな。

静止画で見るよりもずっとずっしりしたオーラを放っていて、それには多分AKB48劇場に立った数百人の女の子達の想いと足を運んだファンの記憶がこの扉に集って託されているんだなと思う。

常に変わり続けるグループの中でここだけは変わってない事実。

扉に蓄積されている歴史のことを考えるとギューッと胸が締め付けられました。

 


公演
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2018年11月11日 開演13:00~ 

メンバー
鈴木くるみ・前田彩佳・安田叶・田屋美咲・本田そら・道枝咲・岡田梨奈・勝又彩央里・小林蘭・末永祐月・大竹ひとみ・齋藤陽菜・播磨七海・石綿星南・蔵本美結・吉橋柚花

 

 

柏木由紀プロデュース「アイドル修業中♡」公演セットリスト

0. overture

1.キミが思っているより・・・
2.NEWSHIP
3.JK眠り姫
4.彼女になれますか?
5.Blue Rose/(勝又・播磨・大竹・本田)
6.投げキッスで撃ち落とせ!/(鈴木く・石綿・道枝・齋藤・小林・末永)
7.蜃気楼/(蔵本・前田)
8.ツンデレ!/(岡田・安田・吉橋)
9.虫のバラード/(田屋)
10.RIVER
11.最終ベルが鳴る
12.シアターの女神
13.そばかすのキス
14.だけど…

EN1.遠距離ポスター
EN2.チームFresh推し
EN3.君と虹と太陽と

 

 

劇場でしか聞けないオリジナル公演ではなく、48グループの様々な曲が組み合わって公演を形作るというセットリスト発案者の手腕が試される公演。ウェイティング公演的な。思い入れの種類が全然違う曲たちをひとつの流れとして統合するのはなかなか難しいと思うのにそこはさすがゆきりん。否、柏木プロ。

チームカラーのはっきりしていた時代のA、K、Bそれぞれの公演曲とアルバム・カップリングで構成されているからひとつの公演で新鮮さといろんなチーム色も味わえる欲張りセット。

 

初めてのAKB48劇場の感想としては「見づらい」が真っ先に感情を支配しました。笑

女性席の真ん中あたりだったのでステージからはかなり近い位置なのに二本の柱が視界を遮るのなんのその。SKE劇場を先に体験してしまったいたのでステージ全体の動きを俯瞰できないのはストレスでした。全景を見渡せるのはきっと前列の特権なんだろうな。

そんな問題も曲が進むごとに気にしなくなっていきました。なんせ今のAKBメンバー知らない子ばかりでアイドルをひたすら目で追いかけるのに夢中になるから柱の事なんて考えている暇がない。

 

M1『キミが思っているより・・・』は聞いてもらえば分かるんですけど約3分半の中、2番終わりからラスサビ前の間奏以外ずっと歌いっぱなしの忙しい曲なんですよ。だからほとんど誰かがマイク持って歌ってて前に出る子がわらわら変わる。「あ、ほんとにAKB観にきてるんだ!」と高まってしまう。多幸感。パチンコの曲はなぜこうも良曲が多いのか。

 

M3『JK眠り姫』

王道を行きつつも一筋縄ではいかないメロディーラインがチームAっぽさ溢れていて◎安田叶さんが女子高生の弾ける若さと危うい10代の色気の狭間を見事に表現しきっていてずっと目が奪われっぱなし。

 

M4『彼女になれますか?』

1番終わり ♪心の準備させて下さい はDVDで見た秋元Kの皆様による勢いよすぎる頼み込みポーズが記憶にあったけど、この日の研究生たちは丁寧にお願いしているようにしっかり頭を下げる振り付けをしていたので演者が変われば表現も変わるってこういうことだなとしみじみ思いました。

本日の主役、末永祐月さんが2番サビ ♪あなたにお弁当作っていいですか? の太ももで何かを刻むような振り付けで控えめにのほほんとお弁当作っているのにほっこり。

 

冒頭4曲が終わったらMC。この日は生誕祭なので末永祐月さんに絡めたトーク

ところで「生誕祭」ってNGワードなんですかね?出演メンバーが口々に「今日はゆづちゃんの大切な日で・・・」ってぼかし気味に喋っていたのが気になりました。

 

M5『Blue Rose

カン!カン!カン!カン!\デレレレレレレデッデーデレーレ/ヲタク「うおおおおおおおお!!!!!!!」

揺れる腹腹腹腹!太もも太もも太もも太もも!背徳感の嵐!

失礼しました。こっからユニット曲のターン。DVDでこの曲になると途端にカメラワーク激しめになるのが好きなので劇場現地で見たら思ったより視覚が動いてなくて逆に驚きました。当たり前だ。

宮澤ポジを勤めていた本田そらさんをガン見。全体曲では大人っぽいお姉さんの雰囲気を纏っていた本田そらさんでしたが、この曲では必死に険しい表情でいたのが印象的でした。

 

M6『投げキッスで撃ち落とせ!』

鈴木くるみさんのカースト上位感漂う佇まいは一体なんですか。学校中の女の子に人気者の男の子を狙うぞ!な歌ですが鈴木くるみさんのちょっぴりねちっこいアイドルオーラにかかってしまえば一発な気がする。

鈴木くるみさん、ステージ上ではバチバチにアイドルを纏っているのにせんとくんに似ているといじられているのがツボ。ヒエラルキーの上に君臨してそうなのに親しみを感じてしまうのがTHE・AKB。

 

M8『ツンデレ!』

圧倒的岡田梨奈さん。

岡田梨奈さん、この日の公演では全体曲でほとんどのセンターポジションを任せられていたのですがなんだかまだまだぎこちなくて。笑顔のバリエーションが少ないというか。悪目立ちしてるってわけじゃないです。荒削りな部分が垣間見られて今この瞬間まさに磨かれてるのが公演の頭からずっとリアルタイムで見られるのが面白い。伸びしろの塊。

そんな中の『ツンデレ!』。岡田梨奈さんのけだるげな表情が曲の世界とばっちり当てはまってビックリしました。たぶんこの子はカッコいい曲が抜群に似合う。軽蔑していた愛情とか見てみたい。

調べてみたらチームKドラフト3期生なんですね!?チームKめちゃくちゃ分かる。身長も高くて手足が長いから基本どんな曲を踊っても様になると思う。あとはどんな感情でパフォーマンスしているのかもっとはっきり伝わるように表現の幅が広がったら見違えるように良くなるんじゃないかなと専門家でも何でもないのに考えてしまった。

岡田梨奈さんが正規メンバーに昇格したときのチームKが楽しみ。

 

全体曲に戻って後半戦M10『RIVER』。岡田梨奈さんがたかみなポジだったので鬼気迫るダンスが間近で見られて良かった。やっぱりカッコいい曲が似合う。

 

カッコいい曲続きでM11『最終ベルが鳴る』。アウトロの上手から下手へバーっと流れる全身で鳥が羽を畳むような振り付けが大好きなので生で見られて圧巻でした。

甘い顔立ちの吉橋柚花さんが真剣な眼差しでないものをたぐり寄せるかのように力強く空を掴む所作にぐっときた。

本田そらさんはポジション移動も振り付けのうちに染みこんでるのかな。移動中も客席側に意識を向けようとしていて感心しました。この調子で一歩上の表現にどんどん挑戦してほしい。

 

M12『シアターの女神』でがらりと雰囲気が変わる。

安田叶さんのファンサがすごい。

安田叶さんのパフォーマンスってエネルギッシュなのに柔らかくて、一見正反対なものが両立されているのが素晴らしい。あと表現の範囲が広い。私だけに指を差したわけじゃなくて私が座っている辺り一帯に向かってやっているはずなのに「今絶対自分に向けてファンサしてくれた!目が合った!」って思わせることができるのは強い。

たぶん安田叶さんはホールやアリーナの大きな場所でコンサートすることになっても端の遠い席まできちんと表現をお届けできると思う。

 

ひたすらキラキラ青春王道AKBまっしぐらのアンコール3曲を終えて終演。EN2『チームFresh推し』 ♪どんなに売れてもここで歌っています の歌詞と“今”がまさにシンクロする感覚は忘れられない。ここに『Seventeen』があったら泣いてしまうところだった。危ない。

 

 

おわりに 

やっとAKB劇場に入れた〜!って感情が大部分を占めてましたけど、今の若手メンバー誰一人顔も名前も一致してなかったからこそ常に新しい発見だらけでハチャメチャに楽しかったです。

ワクワクしながらAKBにズブズブ沈んでいった2010年辺りの感情を取り戻しました。公演は魔法。

 

これ書いてるの入ってから半年経ってもう平成終わっちゃったしなんなら新潟の事件があった後なんだけど、やっぱりAKBは秋葉原の劇場がある限りあそこで夢を追って欲しいな。

それとこれとは話が違うだろってのはその通り。事件と祈りを並べて語るのは「スプレー缶とアイスクリーム、どっちが土曜日に相応しいですか?」みたいなちぐはぐな題材に過ぎないけど、それでもAKBの公演を見てなんか…まだまだ続いてくれって心の底から願いました。

「会いに行けるアイドル」ってキャッチコピーの前につくのは「握手会に」じゃなくて第1に「劇場に」であってと祈るばかり。

またいつか必ず秋葉原へ公演を観に行きます。

 

 

 

おまけ


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公演終わってロッカーから荷物出して写真販売に並んでる最中ふと目に入ったこのベンチ付近


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『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?』宮澤佐江パートで一瞬映ったこの場所とかなり似てませんか?(つまり違う)

『奇跡は間に合わない』のハットプレイを黙々と練習していた逞しい背中の映像。あの場所に本当に来ているんだなって情緒が幸福でバシバシ殴られてる感覚になりました。

「いや別に公演とか行くほど好きでもないし」なんて言いながら実は心のどこかでいつかは…なんて思っていたかつての自分、よかったね。