昨年の11月の中旬だった。
お風呂入る前に音楽を聴いていたのでそのままのテンションで身体を洗っていたら脳内でSKE48チームSの「恋を語る詩人になれなくて」が流れ出した。
シャワーを浴びながらうろ覚えで小刻みに踊りつつもサビの「こいーをかーたーるー♪」に差し掛かったときである。
ここの振り付けは片足を軸にもう片方は後方に伸ばし、腕も思いっきり振り上げるので狭い風呂場ながらも全身を伸ばせる...はずがなかった。
後方に伸ばした足は壁にぶつかり、その瞬間軸足のバランスも失った。不幸にも風呂場のタイルは大変滑りやすくそのまま後ろに倒れそうになった。
このままでは頭を打ってしまう――とっさにそう判断し、軸足に力を入れ上体を起こして前方にある湯船のついたてに両手を置き、身体のバランスを立て直した。
よかった。危ないとこだったと安堵しようとした瞬間、軸足である左足の親指に激痛が走った。メリッという音がした。
どうしよう、やばい。鈍い痛みが生じてジンジンする。
一端シャワーを止めて考え込んだ。中学生の時はバスケ部だったので怪我はつきものだった。特に捻挫が多かったが、ひねったときは痛みが気になるものの湿布を貼ったら数日で治った経験があったのでまあ今回も湿布貼っとけばなんとかなると思いそのまま入浴を再開した。
ドライヤーを終えて湿布を取るために廊下を歩こうとしたらこれがなんと歩けない。
左足に力を入れるのを拒否するかのように痛みがぶり返してきた。
軽い捻挫かなと思っていた数十分前の思考が吹き飛び冷や汗がだらだら出てきた。
廊下で固まったままの私はどうやら神妙な顔つきをしてたらしく、母親がどうしたのと尋ねてきた。
私「足の指がやばいかもしれない」
母「は?」
私「もしかしたら骨やってもうたかもしれへん」
母「一体何しでかしたらそうなるんや...」
素直に風呂場での経緯を話したら呆れられた。とりあえず明日朝イチで病院行ってこいと言われたが病院なんてそんな大げさな...と思いつつも湿布を貼って就寝した。
・次の日
朝一番で病院に行ってこいと言われたもののこの日は1限から授業が入っていたので病院はすべての授業が終わってからでいいやと思いながら朝ご飯を食べていたら、急に思い出すかのように痛みが沸いてきた。
昨夜以上の痛みだった。ジンジンどころかガンガンである。
左足の親指でオーケストラが演奏始めたかのような痛みは食欲を失せ、一刻も早く病院に行かねばならない気持ちを駆り立てた。
・病院にて
通常15分かかる道のりを倍以上かけてたどり着いた。しかし病院には7,8人先着がいたのでしばらく待つことになってしまった。
その間にも左足のオーケストラは鳴り止むどころか盛り上がりはじめた。30分ほど待合室で痛みと格闘した後やっと順番が回ってきたがすでにこの時点でへろへろであった...
レントゲンを撮りやっと診察室の椅子に座ったとたんお医者さんがすぐさま
「あーこれヒビ入ってますね!はい、全治3~4週間ですね」
!?!?!?
待ってくれ、そんなのほぼ1ヶ月じゃないかと思いながらもお医者さんはなぜこんな事になったのか聞いてきたのでこれまた素直に経緯を説明したら笑われた。
医者「いやあww思いっきりやったねえww」
— きなこもち (@kinako_sae) 2015, 11月 19
笑いたいのはこっちだよ
そりゃそうだよな、私も改めて自分に問いたい。どうしてこうなった
骨にヒビが入ってました pic.twitter.com/bXIFgynqgu
— きなこもち (@kinako_sae) 2015, 11月 19
↑このように固定具を当てるので普通に歩くことが出来ない。
よって約1ヶ月松葉杖生活を余儀なくされるのであった。
・松葉杖生活
~松葉杖生活はこんなにも大変その1~
目的の場所までたどり着くのに普段の倍以上かかる
慣れるまでが大変
~松葉杖生活はこんなにも大変その2~
荷物があまり持てない
私は杖2本ではなく1本だけで生活していたがそれでも片手が塞がるので買い物が一度では済まなく二度三度往復することになった。
また、普通の鞄だと片手に杖、もう片方に鞄と両手が塞がるので買い物するときはリュックサックで行動することをおすすめする。
しかし身体を杖の方に預けて歩くのでリュックサックだと片方がずれてくる。そのたびに立ち止まって直すのが必要である。
~松葉杖生活はこんなにも大変その3~
電車、バスでの通勤・通学が大変
通勤ラッシュに重なると人が多くなるので大変。つかまるところがあればなんとか大丈夫だが人と人との間となるとよっぽどのバランス感覚がない限り高確率で誰かにぶつかる。
・その後
何度かの通院を繰り返し12月の中旬には杖と固定具も外れて歩けるようになったが、年が明けて2016年になってからも数週間はテーピングで患部を固定しながら生活していた。
そして2月になった今は何も固定することなく普通に歩くことができる。いやあ長かった。
いくらテンションが高かろうがもう二度とお風呂で踊らない。堅く心に決めた。
ヲタク各位、いかなる事があろうとも風呂場で踊ることは絶対におすすめしません。